事業内容

ターゲット疾患領域の特徴

失禁領域を対象とした
自家細胞治療パイプラインの商業化に向けた取り組み

現在、当社グループは便失禁および尿失禁といった失禁領域を対象とした3つの自家細胞治療パイプラインの開発と商業化に取り組んでいます。
当社グループのパイプラインがターゲットとしている失禁領域には、以下のような共通の特徴があります。

失禁領域の
特徴

  1. アンメットメディカルニーズが
    存在すること

    失禁に対する既存の治療法は複数存在しますが、失禁の病態は良性であることからできるだけ低侵襲な手技から順に選択すべきとされています。侵襲とは、医学用語で「身体にとって害のあること」を指し、特に治療に伴う身体への害について言われることが多く、手術であれば身体にメスを入れること、薬であれば副作用の可能性も含めた状態を指します。比較的軽度の失禁症状には保存的療法(生活習慣指導、服薬、筋訓練、器具の装着など)が用いられますが、保存的療法で十分な改善が得られない場合には外科的治療が適用されます。

    しかしながら、既存の外科的治療(肛門括約筋形成術、仙骨神経刺激療法など)はいずれも侵襲性が高く、低侵襲な治療を望む患者には必ずしも好まれないことが知られています。

    肛門括約筋形成術
    肛門を閉める肛門括約筋を縫い縮める外科手術
    仙骨神経刺激療法
    心臓ペースメーカに似た小型の刺激装置を体内に埋め込み、仙骨神経(肛門の運動に関係する神経)を継続的に電気的に刺激する療法

    つまり、保存的療法で十分な効果が得られない患者に対する低侵襲な治療法が待ち望まれており、ここにアンメットメディカルニーズが存在すると考えられます。

  2. 多くの潜在患者が存在すると推測されること

    失禁とは、便または尿が漏れることをコントロールできない状態(無意識あるいは不随意な便または尿の漏れであり、それが社会的にも衛生的にも問題となる状態)とされています。

    失禁は、日常生活に多大な影響を及ぼす症状でありながら、患者自身が検査や治療を求めて医療機関を訪れることは比較的少なく、「Silent Affliction(言葉にされないままの悩み)」と呼ばれることがあります。その原因として、良性の疾患であること、患者が羞恥心から他人に話すことに抵抗を感じること、治療によって症状が改善する可能性があることが、患者自身だけでなく医療関係者の間でもあまり知られていないことなどが挙げられます。

    日本国内には、便失禁の患者が約500万人存在するとされており(出所:一般社団法人日本大腸肛門病学会ウェブサイト)、また尿失禁症状を有する方は日本国内で1,100万人を超えるとされています(出所:日経メディカルウェブサイト)。しかし、上述のような理由から、これら失禁に悩む方々の多くが適切な治療を受けていない状態にあると推測されます。つまり、失禁領域には多くの潜在患者が存在すると考えられます。

  3. 当社パイプラインの強みを生かせる領域であること

    当社が開発している3つの研究開発パイプラインは、いずれも患部に細胞を注射することによる治療法であり、侵襲性が低い点で、本格的な手術を伴う既存の外科的治療と異なります。保存的療法で改善が見られない患者に対する外科治療法で、当社の研究開発パイプラインほど侵襲性が低いものは見当たりません。この意味で、失禁領域は当社パイプラインの強みを生かせる領域であると考えることができます。

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