欧州における第Ⅲ相国際共同治験を加速
便失禁・尿失禁の治療を目的とした細胞治療により、人々の健康とQOL向上を目指すイノバセル株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:ノビック・コーリン(Colin Lee Novick)、シーガー・ジェイソン(Jason David Sieger))の100%子会社であるInnovacell AGは2022年6月27日に、欧州投資銀行(European Investment Bank:以下EIB)からのベンチャーデット1,500万ユーロ(約21億円)の引き出しを完了いたしました。
融資実行依頼書署名直後のSteinhuber氏(Innovacell AGのCEO)
融資契約・実行の背景
EIBのベンチャーデット・プログラムは、EU加盟22カ国が設立した欧州保証基金(European Guarantee Fund:以下EGF)によって保証されており、同基金はパンデミックによる中小企業への経済的影響を緩和することを目的としています。
今回のベンチャーデットの契約は1年超のデューデリジェンスと条件交渉期間を経て今年3月に締結に至ったもので、今般当社グループが融資実行の前提条件全てを充足したことにより融資代金が振り込まれました。
当社グループは、現在実施中の切迫性便失禁を対象とした細胞治療製品(ICEF15)の日欧第Ⅲ相国際共同治験(fidelia試験)を推進・加速するために当該資金を充当する予定です。
ノバセル株式会社 代表取締役CEO ノビック・コーリンのコメント
EIBからの融資を受けることができ、切迫性便失禁の患者さまを対象としたICEF15の第Ⅲ相国際共同治験の推進・完了に向け十分な財務基盤の整備がなされました。
同治験では現在、既に2例の検体採取がスペインで行われました。今後、他の欧州各国でも開始できるよう務める所存です。
ノバセル株式会社 代表取締役CEO ノビック・コーリンのコメント
EIBとの融資契約締結に引き続き、無事資金引き出しの完了を報告することができ、嬉しく思います。ロシアのウクライナ侵攻で加速するインフレ、米国FRB(連邦準備制度理事会)政策金利引き上げや円安など、国内外で大きな経済的変動が起こっている中で、ユーロ建てでの大型資金調達はイノバセルにとってこの上ないリスクヘッジとなります。
第Ⅲ相国際共同治験の完了、株式上場等のマイルストーン達成に向け、引き続き万全の備えで臨んでまいります。
欧州投資銀行(The European Investment Bank)について
欧州投資銀行(EIB)は、欧州連合(EU)の長期融資機関であり、加盟国が出資しています。イノベーションはEUの政策目標の1つであり、これに貢献する企業の健全な投資に対して長期的な資金を提供します。
また、欧州保証基金(EGF)は、COVID-19危機に苦しむ企業を支援するために、ドイツや他のEU加盟国の出資によりEIBグループによって設立されました。EGFによる約250億ユーロの保証を利用して、EIBと欧州投資基金(EIF)は、主に中小企業に融資、保証、資産担保証券、株式、その他の金融商品を迅速に提供できます。EGFは、EU経済の中で最も大きな打撃を受けた場所を強化するために総額5,400億ユーロを提供することを目的とした、欧州連合の経済リカバリー施策の一つです。